“好き”が紡ぐ道
11月16日。染織やテキスタイル、ものづくりの分野で新しい活動や事業展開をされている方々をゲストに開催されるトーク&ミートアップイベント「カラマラナイト」に呼んでいただく。「カラマラナイト#8 織物のまち“与謝野”で新たな物語を綴る」と題して、私の取り組む「オリジナルテキスタイル制作」「織物体験プログラム」「ひらく織」のお話をさせてもらった。
YOSANO TEXTILE EXPERIENCE
与謝野に移住して2年、機織りの世界に片足をそっと入れて1年。
テキスタイル制作に機屋さんとのつながり、それは数年前に思い描いていた産地でのライフスタイルそのもの。大江山連峰や阿蘇海という自然に囲まれた暮らし。美味しいお米に野菜、地魚、ジビエ。与謝野に移住して本当によかったと毎日思う。「こんなにも面白くて可能性にあふれる場所があったなんて。知られず、知らされずにいた宝物。独り占めなんてもったいない。水先案内人になって、まずは私の手の届く人たちに知らせよう」。雪解けの頃から思い描いたプログラムを「YOSANO TEXTILE EXPERIENCE」と題して、この夏に実施した。
丹後ちりめん織元 株式会社ワタマサ
与謝野町の岩屋区、近代的な鉄骨の建物が建っている。ほとんどの機屋が昔ながらの日本家屋なので、ちょっと驚く。「ひらく織」メンバーの渡邉正輝が専務を務める「株式会社ワタマサ」を訪問した。入ってすぐの事務所はカーペット敷き、そこかしこに反物が積まれ、部屋の真ん中では男性が昔ながらの木製の台を使って検反をしている。後から番頭さんだと教えてもらった。番頭さんって、あの、江戸時代の版画の呉服屋さんに描かれている、、、現代で番頭さんに出会うなんて。いや、単にカタカナの職業名に取って代わられただけなんだろうな。
今井整経所 静なる技術の移転
取材の間も大きな整経機は静かに経糸を巻き続ける。後から思い返しても、操業音が思い出せず静かな工場という印象。そんなはずはないのに、糸が空中をはしる緊張感とその見た目の美しさ故だろうか。今井さん親子二代の静謐な雰囲気が、そのまま満ちているからかもしれない。
HOLA! KIMONO PROJECT
与謝野アテンド第二弾は、アーティストCecilia Corzo (セシリア コルゾ)さんをお迎えして。
建築家・現代美術アーティストCeciliaとは4年来の付き合い。
京都を拠点に活動し、日本文化に親しみ(日本人よりも勤勉に!)、
茶の湯の稽古に励み(自宅でもLAでもお茶を点てて!)、
和菓子をテーマにした展覧会をひらくなど、「日本の美」への造詣が深い。