セコリ荘の宮浦さんがやって来た!
[vc_row css_animation=”” row_type=”row” use_row_as_full_screen_section=”no” type=”full_width” angled_section=”no” text_align=”left” background_image_as_pattern=”without_pattern”][vc_column][/vc_column][/vc_row][vc_row css_animation=”” row_type=”row” use_row_as_full_screen_section=”no” type=”full_width” angled_section=”no” text_align=”left” background_image_as_pattern=”without_pattern”][vc_column width=”1/6″][/vc_column][vc_column width=”2/3″][image_with_text_over icon_size=”fa-lg” image=”430″ title=”セコリ荘の宮浦さんがやって来た!” title_size=”24″ image_shader_hover_color=”rgba(0,0,0,0.01)”][/image_with_text_over][vc_empty_space height=”60″][vc_column_text]日本の織物産地視察を2013年に開始し、広く深い活動を展開するセコリ荘の宮浦さん。
私たちのプロジェクトでも相談をお願いしている。
5月末にご縁あって町内を案内。丹後の機屋とその周辺を巡った1日。
まずは懇親会からスタートした初日。
「それで、おいくつなんですか?」高美機業場・高岡さんの年齢質問を皮切りに、経歴やセコリという屋号の由来、事業内容、何でもざっくばらんに話してくれる。その肝心の「何でも」の部分、あっちこっちの話題に耳を奪われ、泡盛に飲まれて記憶が、、、しかし、お写真で見かけるそのままのおだやかな雰囲気で、おだやかな口調で、高岡さんの泡盛攻撃をかわしつつ私のグラスに氷という名の優しさをいれてくれる宮浦さん。
与謝野の名店「ことぶき」の名物「すじ煮」を肴に夜半まで宴は続き、
二次会は羽賀織物・羽賀さんの自宅で名酒コレクションに囲まれて、
船をこぎながらも機屋のお相手を務めてくれたそう。
(わたしは泡盛に負けてドロン済み)
翌朝5時に操業開始する羽賀さんと、それに驚愕しつつ二度寝をとった宮浦さん。
「ことぶき」特製にぎりめしを朝ごはんに、いよいよ町内取材の開始!
1軒目は羽賀織物からスタート。
正絹の白生地を生産する「THE 丹後の機屋」だ。
糸の仕入れから整経、製織、精練、検品まで行い、取引先に納品。
ちなみに、整経は次の取材先「今井整経」に、精練は「丹後織物工業組合 中央加工場」に依頼している。
羽賀信彦さんは「親機(おやばた)」として「出機(でばた)」への手配や段取り、取りまとめに検品、
そして一部の製品に関しては廃業した機屋の仕事を受け継いで特殊な織物を扱っている、
京もの認定工芸士。
血でも屋号でもなく、「技」を繋いていく機屋たち。
与謝野で、丹後で、産地を超えて繋いでいきたい、伝承していきたいものが、これからどんどん見えてくる気がする。
宮浦さんの目の前に、次々と広げられる白生地の
艶めき、質感、組織、それに使われる撚糸の種類に構造!
「SとZと」
「1800回転かけて2本合わせて500回転戻して」
「SとSでZに戻して、、、」
質問と回答のキャッチボールが進む。普段綿糸を扱う私には絹の撚糸はモロだとかコマという単語もおぼつかない。
宮浦さんでさえも未知の世界を覗き込むような表情に。
会話は「丹後の機織り」全般へも広がる。
ひと昔前には、機屋はもっとたくさんいて、地域ごとに加工場もあった。
しかし時代の流れとともに廃業。現在は京丹後市の「中央加工場」が丹後一円の精練を担っている。
残った「中央」加工場はその名にかつての盛栄を記していたのだった。
加工場跡地は食品工場や老人ホームになっている。
なんというオチだろう。笑えない産地あるある。笑ってしまったけど。
取材は2件目の「今井整経所」へ。
宮浦さんの目がひときわ輝く。丹後で初めての整経現場だそう。
何百の糸がコーンから治具を通り、筬を通り、
円柱状の整経機にフラットに巻き付けられていく。
規定の長さまでメーターが回るとカットしてピンに止めて。
フットスイッチを踏んでまた回転して。
一連の流れは静かに美しく、見飽きることがない。
当主の今井信夫さんは案内と説明をしながらも、手を休めずに教えてくれた。
以前は何十反という単位の注文もあったけれど、現在は1ロット20~30反が主流で、少ないものでは3~10ロットという注文もあるそう。帯地は今10~20反、昔なら30~50反だという。それゆえ白生地の丹後でも付加価値の高い先染めが増えている。
この日、整経していた糸も綺麗な青だった。
整経は糸にストレスをかけないように、
ヨレやねじれが出ないように、
織りやすいテンションであるように、
目と手の感触でたしかめて進んでいく。
ビームに巻き取り終わるまで、端の1本たりとも切れないように。
整経所は機屋へ生地のバトンを渡して、また糸を巻き始める。
3件目!ひらく織のリーダー「高美機業場」の高岡徹さんを取材。
半衿や帯揚げといった和装小物とちりめん風呂敷を製造している。
特に高岡さんが力を入れている風呂敷に、宮浦さんも「これはいいですね〜!」とテンションが上がる。
宮浦さんは、興味のあるところにはスイッチがぽん!と入る瞬間が見える人。
今日何回目かのスイッチが入っていた。ちりめん風呂敷の図案は「鴨川志野」さんという作家に注文。
型紙を掘って描かれる味わいのある線に、一癖も二癖もあるユーモアなデザイン。
「包むこと」への特別感や「包まれているもの」への期待、
「めでたいものしか作らない」
というキーワードが並んで、なるほど、あるようでなかったプロダクト「風呂敷おもしろい〜!」と盛り上がる。
型捺染は京都市内で、その素材にあわせて風呂敷のロットは変わってくるそう。
めでたい節目にオリジナルの風呂敷、私が結婚するとき引き出物にします宣言したところで前半戦が終了。
お昼ごはんは、おとなり宮津市の「こんぴらうどん」で好き好きのうどんを注文。
私は泡盛の名残を消すために、さっぱりおろしの冷やしうどん。役場担当のMちゃんは大好き肉うどん。MJ氏はおしゃれにローストビーフうどん。高岡さんは肉天うどん。メニューになかったのに注文し続けて、知らないうちに何故かメニューに載って、勝手にプレッシャーを感じている一品。宮浦さんは何うどんだったか。朝のおにぎりから始まって、よく食べる宮浦さん。
午後は与謝野町の桑畑からスタート。
この5月に4,000本の苗木が植えられたばかりの、新しい畑。
この木々で育てられるお蚕さんから果たして何反分の絹がとれるのか、採算は、事業展開は。
ネガティブな声も聞こえるけれど、産地のルーツのその一部を、
我が町の源流として体感できる場所は必要だと思う。
次は「由里機業場」へ。
広幅のレピア織機でネクタイや先染めシルクジャガードを生産する機屋さんだ。
宮浦さんのエンジンをフル回転にあげたのは、緻密な構造のサンプル群。
ネクタイ用の生地ではなく、アパレルか、インテリアか。
まだ製品になっていない原石だ。
織機の稼働の合間を縫って生み出される試作品は、同じ縦糸からここまで違う生地が仕上がるのかと驚くほどのバリエーションがあり、その一つ一つの完成度の高さに、宮浦さんがこれまで見たことのない熱量で写真を撮っている。
二重組織に袋織に擬紗
基本構造は私も知っているものの、その極め方が、すごい。
「柄と組織と構造と、いくらでも試せるし、どこまでやれるのか挑戦してみたい。
ただそれを最終製品に結びつけるところまではたどり着いていないけれど。」と由里直樹さん。
今回の取材で、一つの生地をとあるアパレルに紹介することになった。
この生地は特許も取得する予定!なのだそう。
最後に訪れたのは
「与謝野町織物技能訓練センター」
私が織物を教えてもらっている場所だ。
機屋の試作品開発や織り手の養成所として設立された施設だが、最近は開発まで余力のある機屋がいないのが正直なところ。
指導員の尾関さん(私のジェダイ!)がシャトル織機や手機の設備を一通り案内して、ここで開発した生地を見せてくれた。
この瞬間、また宮浦さんのテンションが跳ね上がる。
ふわふわで伸縮性があって、
パイル織機ではないのにループがあり、
握るとなんとも言えないサクっとした感触。
ハンカチやタオル、布おむつ、腹巻きなどに展開できそうなシルク生地。
スタッフのお土産にと嬉しそうに購入する宮浦さん。
新しい生地が新しい場所とつながっていく瞬間、この出来事。
ジェダイも嬉しそう。
私も自分が織っている布やこれから始めようとしているプロジェクトのお話を少し。
町内を駆け回った1日、宮浦さんは満足してもらえただろうか?
産地をよく知る人から見ての与謝野、どう映ったのか、次にお会いしたら聞きたい。
同じ時代を生き、同じフィールドが面白いと思っている。
それだけで、それこそが最高のつながりだと信じて。
手土産は大宮の食品店「いととめ」のぼたもちを高美機業場のふろしきに包んで。
宮浦さん〜!これからもどうぞよろしくお願いしま〜す!!
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