押忍!OKD式 大城戸織布
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出迎えてくれたのは穐原(あきはら)真奈さん。伊丹で働いていたときにd&department大阪(南堀江)店にて開催されていたテキスタイルマルシェで大城戸さんの布と出会い、衝撃を受ける。ご実家が機屋だったこともあり、「生地をつくる仕事がしたい」と退職しUターンした後、暫くしてから播州織組合を訪ねた。そこでまた偶然の大城戸さんとの出会い。
運命に導かれての機屋入りだった。
前職に勤めながらの1年と退職してからの2ヶ月、基礎訓練を身につけて弟子入り。「こんなハズではっ!?」という山あり谷ありな4年を乗り越え、いまや日本屈指の女性ハタヤーのホープだ。ジャガード針の交換もできて、3-4件の担当先もあって、デザインもできる。本当に、すごいなと思う。コンクリ土間の機場は、夏は暑く冬は寒い。ビームも重いし埃も舞う。最後に記念写真を撮るとき、真奈さんはエアコンプレッサーで埃を吹き飛ばして駆け寄ってきた。その仕草に胸キュン。
案内されて中に入ると大きな「たたみ機」が目にはいって、いきなり食らいつく与謝野チーム。丹後では、機屋で「たたむ」ことは殆どない。私も加工場の工程以外では芯棒にくるくる巻き付けた状態しか見たことがなかった。それを操作する真奈さんにも、最初から歓声があがる。すでに遠孫織布さんを訪問してスイッチが入っている与謝野チーム。そんなテンションに引かず淡々と説明してくれる真奈さん。「たたみ仕立」と「巻き仕立て」があり、すぐに加工にだすので皺にはならないそうだ。
そうこうしている内にボス大城戸祥暢さん登場。訪問の趣旨を説明すると、丹後とのつながりを教えてくれた。大城戸さんから開口一番「柴田織物」「株式会社ワタマサ」「創作工房糸あそび」の名前が出てきた。私もお世話になっている機屋さんたち。柴田さんには短期弟子入りして帯揚げと半襟を作らせてもらったり、糸あそびさんには綿糸の購入をサポートしてもらったり、頼りになる兄さんたち。
ここで箱からおもむろにサンプル生地を取り出して見せてくれた。テグスと麻で織った生地や羊毛をフェルト化した袋おりの生地など、触るのも食い入るように見るのも、写真も全てOK。それはここでしか織れない一品ばかりだから。データづくり(CGS)、織り、加工、展示会まで一貫して創作する。工場には大きな洗い加工マシンがあって2-30mまで一度に洗って干せて、だから実験も繰り返しできるし、データもとれる。そう言って見せてくれたノートには時間や温度の記録がびっしり。
素材の量、配合、時間、気温、湿度、、、耐久性と再現性と、
無限の可能性!
私自身も前職で素材や技法の実験データをとってきた。だから、ノートに書き留めた文字からそこにかけた時間と情熱があふれて見えたような気がした。ここまでする機屋はそうそうない。加工のクレームが怖いから。それでも大城戸さんがこだわるのは、家洗いの感覚。それを洗ったままが本当の感覚で、加工場では落ちる(変わる)から。
- 和紙やカシミアを織るつもりで1分に20回転から120-150回転など織物にあわせて設定
- 量を織る時代ではないし、しんどいし、量に係ると工賃ダウンの商習慣
- これくらい織れると言われている7割のスピードで織るのがちょうどいい
- 普通のレピアERは1分120回転くらい
- 小口が多い、2-30mから、ミニマムは1mから生産できる
- 経は白、黒、生成り
大城戸さんの喋りも勢いがついてくる。シャトル織機はない、その風合いをまともに説明できる人がいないから。風合いを語る人ほど仕組みを知らない。家業を継いだ時に4台あったが、使いこなすのに最低10年かかるので時流を見越して革新化を計る、ERから始めた。与謝野チームに漂うざわつき。
丹後の織機はまだシャットル(丹後なまり)が殆どなのだ。
「いつ切り出そう、シャットル使っているんです」と。
- 産元からの定番は20年前から値段変わらず、持ちつ持たれつ
- 値段は少しずつ落ちている状況だが(一般的には)、若手もいると価格交渉が可能になる
- 4割くらい定番、あとは自販
- 昔は交代制で20-21時間くらい、今は12時間くらい織っている
- 定番の生産量は落ちているが全体の売り上げは上がっている
- 機場には津田駒のER、FR001イタリアSOMET社製スーパーExcel等が並ぶ
- レピアは素直に織れるERがよい>腕がよい>その次がR(高速化)
- ERはトルク出ない、平面
「僕らシャットルなんです」
このタイミングで与謝野チームの羽賀さんが、言った。
コンマ数秒の間を置いて、大城戸さんの怒涛のシャトルフォローが始まる。
- やりたいことにシャトルが向いてなかった
- ノウハウが生きている地域はやればいいが部品を作っていかないといけない
- 溶接の勉強したら解決!
- ジャカードの運転棒が折れる、溶接、そしてまた折れる
- シャトルは風合いをうたい文句にすればよい
- 管巻きのテンションが糸が減って少しずつ変わっていく
- 右と左の始点が交互になるのでテンションが均一
- 筬に平行に動いていないから、テンションがかからずリラックスした状態の、、、
真ん中は本マグロ、端はトロ!
大城戸さん、、、!本マグロもトロもどっちも高級部位じゃないですか。与謝野チーム心のなかで大喝采。この後も、終始シャトル(と丹後地域)を持ち上げてくださった。そのお心遣い、優しさ。出で立ちは仁王、心は菩薩。後日、真奈さんにお話すると、やっぱり普段からとても優しいとのこと。私の知り合いがインターンに行ったときも、ちょっとした体調不良にもすぐ気がついて声をかけてくれたそう。
- レピアは片方向
- 高密度のときテンションゆっくりのほうが風合いが出る
- ストールブームにはのらない、販売会(個展)で直売する
- Q:900ジャカードの紋型は?
- A:ダイレクトに変わった、紋紙は使ってない
- CGSから始めてコントローラーもフロッピーからUSBに、「ダイレクト」も10年近く
- Q:メンテナンスは?
- A:ソケット変えるだけ
- 新しい型、代替品をおくってもらう修理方法をとっている
- 新規取り付けや分からない時は来てもらい、他は電話で、でも来てもらったことない
- 与謝野さまさま、いろいろ繋がっている
- 丹後が好きで自転車で回ったら山の中に機屋が、休みで来たのに機音が聞こえる
- ネガティブな機屋と話さないようにしている
- 遠孫さんは面白いから話す
- 機屋の中古部品を狙っていくしかない
- レピアの故障いろいろある、仕組みが分かれば直せるがモノがない
- 鉄で壊れる部品を作っておく、ステッキはカシの木、建具屋に頼んでいる
- シャトルは100丁つくっておくといい
- 20丁から発注できる、と羽賀さん
- あと30年その機械をまわす、あと50年、一部をレピアにしたらどうか
>与謝野チームの羽賀さん、高岡さんに自分たちの機場について
間に間に入るフォローの言葉が胸に響く。
- 大善株式会社(広幅)、特殊、いろんなことをしている
- 作れる強みを生かして機屋が生き残っていかないと
- 播州織りの縞が工場の壁の穴から抜き出されて(盗まれて)、、、と言われるくらい儲かっていた
- 売れて産元ができて、規模が大きくなり分業になり、また一周して元に戻ってきた
- 真奈さんERから始めてR-200も勉強中
- 洗い場の薬品や水量データもとりながら独立採算的なチームとしてやっていく
- 工場を引き継いでもらうと信頼の言葉!
- 秋には次の弟子(004)が来る、東京文化服装学院の在校生で福岡柳川高校出身、営業のトップセールスをしていた
- 行政の補助がなくても5年ペースで弟子をとろうと思う
- マンツーマンで教えるから5年は間をあける、自衛隊みたいや?
- 社長は合気道、真奈さんは空手、004は少林寺拳法・ボクシング
- 手は出さない武闘派機場
- 弟子をとる、従業員はとらない、自分の作りたいものを作れるところ
- やりたいことを求めて動いている人が多くなってきた
- いま専門学校に行く人はやりたいことがはっきりしている
- どっぷり浸かりに来たから、播州織りを引き継いでいってほしいから
-
鍛えていきたい、落ち込んだ時に耐えられて、新しいものを考案する力
- 機屋の頑張っているところが引っ張っていくのがよい
- 旦那衆には近づくな、バブルの名残がまだ残っている
- 直して織れて考えられるのが機屋
- 自分主導でやること、責任がある、連れションはだめ
- それぞれの機屋、バックボーンも違う、それぞれやるしかない
- 人にノウハウ聞くのは今のうち
- ワインダーは火が出やすい、機屋の火事はワインダーから(昔は)
- 石膏ボードでワインダー部屋を覆い、ドアも窓をつけて室内が見えるようにしている
- 綿の経糸は80単糸
- オリジナルの加湿器、集塵機、建具屋さんに作ってもらっている特性カバー
- 建具屋さんの仕事なので、糸面までつけてあってひとつひとつの仕事がすごく綺麗!
- 埃除けだけではなく、間違ってボタンを押さない工夫も
- レピアの耳はタックイン
- 房耳巻取は自家製、そのための整形は自力で
- カットした耳は指編み用に、イベントなどで売る
- 電気をつけっぱなしにせず、光源を変えて見回りする
- 中央で糸の受け渡しをするレピア
- 生地が暴れないように押さえをつける
- 30双糸もあった
- イージングモーションは口開きに合わせてうごく
私のレピアには付いてないので初めて見たというと、丁寧に説明してくれた
- 付けてないものもある
大城戸さんの仕事を見て、話を聞いて思う。機屋はおもしろい!機械を扱う知識、体力、腕力を鍛える。組織を考える、試す、まだ世にない布を生み出す。世界唯一の製品を自分で創出する!「テキスタイル」の魅力、要素、構成、私にとってはどうなんだろう。想いをめぐらすことができる、考えることが許されているって、なんて幸せなんだろう。
大城戸さ〜ん、真奈さ〜ん、次は与謝野で蟹の宴ですよ!
待ってます〜!!
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