攻めの産元 島田製織株式会社
[vc_row css_animation=”” row_type=”row” use_row_as_full_screen_section=”no” type=”full_width” angled_section=”no” text_align=”left” background_image_as_pattern=”without_pattern”][vc_column width=”1/6″][/vc_column][vc_column width=”2/3″][image_with_text_over icon_size=”fa-lg” image=”272″ title=”攻めの産元 島田製織株式会社” title_size=”24″ image_shader_hover_color=”rgba(0,0,0,0.01)”][/image_with_text_over][vc_empty_space height=”60″][vc_column_text]何千ものハンガーサンプルがぎっしりと並べられた会議室。取材した代表取締役の嶋田幸直さんと企画営業の宮田豊通さんは、お二人ともざっくばらんと話しやすいお方。それもそのはず。産元商社とは、全工程に関わる人としゃべって繋いで回して、コミュニケーションを軸に播州織りを生み出す存在なのだ。
嶋田さんが産元商社というシステム、島田製織の取り組み、そこにかける想いを教えてくれた
- 産元がある産地のほうが独特で、普通は工場が営業と開発をしているところの方が多い
- 仕事をざっくり説明すると、アパレルやデザイナーへの営業から受注、機屋や加工への発注、取りまとめ、出荷
- この流れを一貫してやっているところも一社ある
あとから東播染工のことだ!と分かった
- 基本は営業がお客さんのところへ行き、打ち合わせ、持ち帰り、企画
- 20年前は受身の受注型だったが、ファストファッションの登場でアパレル業界も元気がなくなり、産元が提案もするようになってきた
- しかし、産元から商社やアパレルへの提案は全体ではごくわずか
- 試作開発もするようになってから、もっと市場を知りたいと考え企画専門のスタッフを10年前から設置し、後にファクトリーブランド「hatsutoki」を生み出した
- 営業はお客さんの言いなりになってしまいやすいから、生地のコンセプトから説明できるようにしている
- 西脇では作れないようなものにも挑戦している、尾州へウール素材について相談しに行ったり
- ボンディング(生地の貼合わせ)など加工技術の面でも他産地と連携している
- 他産地の特徴をかけあわせた生地を考え、奄美の泥染と新潟の織を組み合わせたり
- 2-3年前に与謝野町の機屋にも行ったが相談が成立せず
おおっと、残念。どこだったのかな〜?
-
これからは、必要な知識として他産地の強みを知りたい
これは「ひらく織」の目標とも近い!
- 宮田さんは営業畑で30年前から、その頃は西脇が現在の中国並みの生産量だった
- 約30年前をピークにだんだん生産数量が減って機屋が2000軒から200軒に、1/10より減っている
- 産地の人間が中国に技術指導したら、マンパワーですごいスピードで追い越されてしまった
- 西脇の産地全体がひとつの工場のような状態
- 国策が繊維からITに移り、国から位置付けが下げられてきた
- 設備面も含め、簡単な産業だから途上国へ流れていく
- 繊維製品は世界中の工賃が安いところで大量生産される
- これからのものづくりは良いもの、感性に訴えられるものにシフトしなければ生き残れない
- 例えばイタリアのように、デザインや先進性を強みにしていく
- 中国に導入されている織機は新しいが職人が育たない
- 中国でも繊維産業より工賃の高い、儲かる仕事に手を出すようになった
- 日本製の生地が中国の富裕層に売れている
- 先染め織りは各地にあって、これが播州織りというのが謳いにくい
- 西脇の生地価格1メーターあたり500円平均かな
- 産地ごとの平均単価というものがあり、浜松も先染めで西脇より少し高め
- 伝統工芸の値段はわからない、原料単価も違う
日用品と工芸品の差とは、価格とは。これはいろいろ考えるべきこと
- トランクス、シャツ、パジャマと単価の安い商品の生地が多かったので工賃も安くダメージを食らってしまった、それでも求められる品質は高い
- これまで産地のためにと安売りしてしまったので、反対に上げていくのは難しい
- 今より生産量が多い時は、営業は量をとっていくことがヨシとされた、何万m売ったのか等
- これからは量を売るというより粗利体制へのシフト
- 百貨店の商品はロットが少ないが値段は良い
- 商品は幅112センチメートルが主流
- クールビズの生地は99%海外製だろう
- 百貨店のシャツ以外は海外で日本のもの探す方が難しい
- 今は納期も厳しい、昔は2-3ヶ月だったが現在は最短で、難しく、安く
- 素材の特性を理解せずに発注されることもあり、天然素材の風合いにクレームをつけられたことも
- 島田製織のつながりのある機屋は30軒位、仕事がきちっとあるわけではなく商品による
- 機屋の技術やレベルによっても値段が変わる
- 産元が製品の設計から納品まで全工程をとりまわすため、機屋や加工場の便利屋になってしまう時もあった
- 機屋は緯打ち(よこうち)家だった、織工賃のみ
- 試織屋さんがある(5-10件)
お!ぜひ紹介してもらいたい〜!興味津々
- サンプルが世界で1番高いと思う、コストがかかる、例えば10m10,000円位
バイオーダーの生地としたら、アリの価格!
- 小ロットになるとサンプル代が響いてくる
- 現在扱っている生地の種類は数え切れない、白生地中心の与謝野チーム全員が「ゲェ」と言う位の想像できない数
- 営業や企画をするには「柄」「組織」「加工」の組み合わせに現場の知識が必要
- 相手の買える単価に合わせて、客層も幅広いので狙いを定めて提案する
- プリントが主流だけど、時々先染めがしたいという注文もある
- 先染め>やりたい>やりましょう>試織>数量想定>思っていたより数がつかなかった>1,000から2,000メートルのつもりが2-300メートルに>利益が上がらないことも
- 基本は受注生産で小ロット対応は難しい
- 昔は商社に頼んでいた海外輸出、それを海外向けに直接ネット販売に挑戦するも、英語がわからない
- 日本の特徴があるものを求められる(和紙など)
- 産業と言うより工芸品として生き残るのでは?
ここでフと、与謝野チームへ嶋田さんの視線が。
本家本元、「日本」の製品づくりをしているのは、彼らじゃないか!
- 嶋田さん:ちりめんはブランド力があって強いのでは?
- 羽賀さん:和装用途に限られてしまう
- 嶋田さん:それも含めて特徴になるのでは?テイストを生かした提案に
- 与謝野チーム:・・・・・
みんなどう考えていたのかしら4-50代の先輩機屋さんは洋装の生地へも展開したり、超絶技巧の縫い取りちりめんや、製品ごとに経変えをする特注生地を生み出した。和装にどこまでこだわるかは、それぞれ理由やこだわりがあると思う
- 高岡さん:丹後ちりめんは糸代がキロ7,000円、生地単価は1m1,000円超えてくる
- 播州も年金機屋が多い
丹後でもよく、年金機屋の話になる。
出機さんは一反織っても工賃が2,000円ほど。年金をもらっている世代が収入の足しにと織る。そうすると、その賃金にあわせて最低単価が決まってしまうので、若い人が暮らしていくだけのまともな工賃にならない。
- 高齢になってじゃんじゃん織れてしまうと傷が見つけられなかったりして大変
笑い事じゃないけれど、笑ってしまう機屋あるある
- 働き盛りの機屋は何件あるのか、10年経ったら何件残っているのか
- あと何年繊維業が日本の産業として残れるのか?
- 生き残っていける繊維関連企業の数が絞られる
- 最終商品化までも始めて、それがアパレルへのPRにもなる
hatsutokiのパネルオーバードレス
ここで島田製織のファクトリーブランド「hatsutoki」のパンフレットの紹介があり、一同「おお〜」と歓声。
というか、このパンフレットのお話をしたもらった時点で企画の方とも話してみたいと機転を効かせられたらよかった〜!新機軸のブランド、私たちが掘らないといけないところだったのに。事前のリサーチ不足を痛感。
そして取材中、会議室のサンプル生地をちょいちょい取りにきていた若者、村田裕樹さんは東京からの移住者だった!「hatsutoki」専任デザイナーとして5年目を迎える。当時からSNS発信をしていた島田製織の動きをキャッチして、「僕ならもっと良いものが作れる!」と乗り込んできたのだ。
ああ〜セコリ百景も事前に読み込めていなくて(詳しいインタビューが掲載されている)、失敗。彼とも話したかった。社長、次はぜひセッティングお願いします!
- 縫製は西脇にはなくて、近郊では奈良など
- 縫製屋さんも近年減り続けているので枠を取るのが大変
- 残っている縫製屋さんはノウハウも技術もある
- 仕事があっても人が足りない、海外の人も集まらない
- 西脇にデザイナーを雇う助成があり10名ほど東京から来ている、女性が多い
- 彼らがミシンやCADを使える場所を西脇が提供(4月23日にオープンした「concent」)
-
産地に住んでものづくりしたい人は多い、産地がそれを受けられるか
- そういう受け入れが可能な機屋は限られてくる
- 今でも西脇周辺の産業といえば播州織、だから維持・発展・発信していかなくては
- 若いデザイナーと交流した方が良いのでは?
そうなんです、社長、その通り。我々のリサーチ不足です。涙。
集合写真を撮ってくれたのは村田さん。さすがのセンス!ちょっと斜めに構えて撮ってくれた写真のよさといったら!これからの「hatsutoki」の発信に注目したい。それは私の活動にとっても大きなヒントになるだろう。
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